日常の綻び (Page 2)

「またそんな事ばっかり言って」

「本気だよー、俺」

「もう、こんなおばさんに…、…」

やや強引に抱き寄せられ、冷えた唇が触れる。

驚いて固まっている間に、京介の舌がゆっくり唇をなぞり、口の中へと入りこんだ。

「…ん…!…ふ、ぅ…」

だめ、と言わなければいけないのに、郁美はほんのりした苦みと舌のざらつきを感じながら思った。

キスをしたのは久しぶりだ、と。

そのままベッドに押し倒され、スプリングが2人の重さで大きく軋んだ。

「んん…」

冷えた手が郁美の体を撫で回す。

欲望に正直な、少し乱暴なくらいの愛撫が、忘れていた郁美の官能に火を灯していく。

飾り気のない生活感満載の下着を、恥ずかしいと思う間もなく毟り取られ、裸の胸に京介の唇が触れた。

「あっ…京…だ、ダメよ、やっぱり…私…あっ…」

指先で乳首を弾かれるたび、ビクビクと体が跳ねる。

「すごい勃ってる」

「いやぁ…」

いやらしい変化を分からせるように、京介の指はコリコリになった乳首をきゅっとつまんだ。

「ん…」

「綺麗だよ、郁美さん」

「ぁぅ…ダメ…ぁあ、や…!」

下着の中に入り込んだ手が郁美の濡れた割れ目をなぞり、奥から滲んでくる蜜を掬い取っては、敏感な突起の方へ擦り付ける。

「はは、ぐっちょぐちょ…」

「いっ…言わないで…」

「クリちゃん剥いていい?」

「そんな…こと…ぁ、や、ぁっ…」

形だけの抵抗をしながら、郁美はため息のような、切ない吐息を漏らした。

おまんこに第二関節まで入れられた指が、わざと音を立てるように出し入れされ、郁美の羞恥心を煽る。

後ろ向いて、と言われて大人しく従うと、京介はその柔らかい尻を揉みしだき、無造作にペニスを押し込んだ。

「あぁっ…!」

京介のものは夫より立派だった。

今まで刺激されたことのない体の奥を欲望のままに突き上げられて、多少なりとも可愛く見られたいとか、そういった見栄をなくした本気の声が上がる。

「あっ、あっ、あんっ…!」

「窓開いてるから、声我慢して…」

「…ぇう…」

京介は郁美の口に中指を入れてしゃぶらせ、舌に擦り付けるようにしてちゅぽちゅぽ出し入れする。

「んっ…む…んん、っ…」

「口ん中気持ちいー…今度はコッチでもーーー」

「んんんっ…!」

ほぼ同時に二人は絶頂を迎えた。

背中に凭れ掛かってくる京介の重さと、少し速い鼓動を感じているうちに、郁美は眠気を催してゆっくりと瞼を閉じた。

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