日常の綻び (Page 3)

…一線を越えてしまった。

郁美は家路を急ぎながら、初めての浮気に対して想像よりも冷静な自分に驚いていた。

むしろ満ち足りたような気分で、まだ火照りの残る肌に、雨上がりの冷えた空気が心地良かった。

お菓子とゲームで頭がいっぱいの小学生と、人を疑うことを知らない穏やかな夫。

あからさまに下着に凝ったり、妙な態度を取らない限り、家族にこの関係が露見することはない。

それから郁美は、何度も京介と体を重ねた。

弁当と一緒にお茶を二本買ったら、お誘いの合図。

若く好奇心旺盛な京介との行為に、郁美は夢中になった。

それに加えてーーー

「ぁっ…また使うの…?」

「うん。郁美さんだって、気持ち良いの好きでしょ?」

低い声が耳朶を擽る。

「嫌いじゃない、けど…あんまり体に良くないんじゃ…」

「大丈夫だって。今時みんなやってるし」

京介はラムネ菓子のような可愛い見た目の錠剤を半分に割り、口移しで郁美に飲ませた。

「…んぅ…」

京介が行きつけのクラブで貰ったというこの『キャンディー』、名前に反して味は甘くもなんともない。

けれど飲んで15分もすると、体の感覚が研ぎ澄まされ、何とも言えない幸福感が込み上げてくる。

「…ね…京介君…早くぅ…」

「早く?」

「…い、意地悪しないで…」

先程までの躊躇いはどこへやら、郁美は服の上から撫でられるだけの愛撫がもどかしくなって、京介のペニスに手を伸ばした。

四つん這いになって京介の足の間に顔を埋め、そそり立ったペニスにむしゃぶりつく。

「んっ…ん、んんっ…」

まだシャワーも浴びていない、蒸れた汗と濃い雄の臭いに、頭の芯が蕩けてぼんやりする。

…早くこれで突いて欲しい。

挿入された時の強烈な快感を思い出しながら必死にご奉仕していると、京介がからかうように笑った。

「…すげー音。オナニー気持ちいい?」

「!」

郁美は無意識におまんこを弄っていたことに気付き、ペニスをくわえたまま頬を染めた。

「指でいいんだ?もうチンコいらない?」

「や、だめっ…おちんぽ欲しいの、お願い入れてぇ…!」

「じゃあ、自分で上手にイけたら恵んでやるよ」

京介は郁美を押し倒し、足首を掴んで大きく股を開かせた。

真昼間の明るい部屋で、ひどくはしたない恰好をさせられているというのに、郁美は嬉しそうに二本の指をおまんこに突っ込み、ぐちゅぐちゅ音を立てて掻き回す。

「あ、あ゛っ…あぁんっ…!」

濡れ過ぎているせいで刺激が弱まり、うまく気持ちいいところに当たらない。

「やぁ…もっと…あぁ…京介君っ…」

「郁美さんのやらしいぐちょマン、丸見え〜」

「あー…あ、あ…イきたいぃ…イきたいのぉ…!ああ〜…!」

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