日常の転落 (Page 2)

「はあ、はあ、はあ」

荒い息遣い。
狭い個室のトイレ。
目の前にはサングラスとマスクをした男が、はだけた胸元を両手で揉んでいる。
どうしてこうなったのだろう。
男が身体に触れるたびに、恐怖で頭の中がいっぱいになる。
いつものように仕事場から帰る途中、またあの足跡が後ろから追いかけてきた。
怖くなった私は隠れようとすぐ近くに見えた公園のトイレに逃げ込んだ。
けれど鍵を閉める直前に男が乱暴に押し入ってきて、トイレの個室に鍵をかけた。
逃げられない密室。
男はナイフを持っていた。
観念するしかなかった。

「はあ、はあ…下着を下ろせ」

そんなことは死んでもお断りだが、ナイフをちらつかされると言うことを聞くしかなくなる。
恐る恐るスカートの下に手をいれて下着を脱ぎ捨てると、男は床に落ちた下着を拾いポケットにいれた。

「スカートを捲れ」

「は、はい……」

恐怖で涙が零れる。
これから先に待ち受けることは耐え難いことだ。
それでも逃げることはできない。
私はただ黙って受け入れるしかできない。
男はスカートを捲りあげた私を見ると、おもむろにズボンのチャックをおろした。
中から凶悪なものが姿を表す。
卑劣な行為を行う男に似合う醜悪な姿をしていた。
先端からは我慢汁がダラダラと滴り、男が興奮していることが嫌でも分かった。

「便器に腰かけて足を広げろ」

「あ、あの…わ、私…処女なんです。だから、お願いだから…これだけは…」

一縷の望みをかけて男に哀願する。
だが無情にも男の態度は変わらなかった。 
何もかも諦めて便器に腰かける。
足を左右に広げると、男が凶悪なものをぶら下げながら上にのし掛かってきた。

「はあ、はあ…くそ、エロい格好しやがって」

男がぶつくさと呟く声がするが頭の中に入らなかった。
意識は全て膣口に押し当てられたものに向かっていた。
ぬるつく先端が、何度も入り口を撫でている。
今にも押し入ろうとしているが、未経験の入り口は男が思うより固く閉ざされているらしい。
イラつくようにぐいぐいと先端が押し付けられる。
最後の抵抗をしようと男のものを感じながら入り口に力を入れているのもあるからだろうか。
願うならこのまま諦めてくれればいいのに。
けれど私の淡い気持ちなどすぐに打ち砕かれてしまう。
いくら固いとはいえ、何度もしつこく弄られれば少しずつ入り口は解れてしまう。
私の意思に反して、膣口は少しずつ男を受け入れ始めていた。

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