さゆみ先生のエッチな秘め事 (Page 2)

「これ、さゆみ先生ですよね」

退勤して、保育園の前の道を曲がった瞬間、声をかけられた。

SNSに上げた自撮りを表示したスマホの画面を見せられながら、そう言われたとき、時が止まったような気がした。

「……健太くんパパ、こんばんは。今日は、パパがお迎えなんですか?」

「さゆみ先生、動揺してますね。健太はもうママが迎えに来たじゃないですか」

健太くんパパは私の肩を抱き、スマホの画面を私に見せつけた。

「これ、さゆみ先生ですよね?」

もう一度、彼は私に問いかける。

動悸がしてくる。冷や汗が額を伝う。

画面の中の私は、着衣がはだけて露わになった胸を寄せながら、パンツ越しに自分を慰めていた。

「……行きましょうか」

健太くんパパは近くに停めていた車を指差す。私はそれに従うしかなかった。

「さゆみ先生のおうちへ伺ってもいいですか?」

「え……家はちょっと……」

「だめなんですか?それは残念ですねえ」

それは暗に、自宅に入れないと秘密をバラすという意味だった。

私はボソボソと道案内をした。蚊の鳴くような、震えた小さな声だった。

健太くんパパは上機嫌なようで、健太くんの家での様子を私に聞かせてきたけれど、その話題はこの空間にはあまりにも不釣り合いだった。

「いやあ、びっくりですよ。天使みたいな笑顔で息子たちに接するさゆみ先生が、実はこんな淫乱だったなんて」

「や、やめてください……」

部屋に入ってすぐ、健太くんパパは私を壁に追い詰めた。

親指で唇をなぞられる。

わりとどんな相手とでもセックスできるタイプだけれど、それは相手が自分のことを知らないからだ。

SNS上の私と、職場での「さゆみ先生」である私は別人なのだ。

バレたら窮地に追い込まれるのは、私も健太くんパパも同じだけれど、画像という形で弱みを握られている私の方が圧倒的に分が悪い。今私を犯そうとしている健太くんパパよりも、ずっと。

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