図書室の情事 (Page 2)

「どういった資料をお探しでしたか?」

「日本史、近世の文化ですね」

「芸術系ですか?文学系?」

「劇作、戯曲に関するものを」

「それだったら」

里美は、沢田が探していた書架の背面にある書架の下から2段目の棚に目をやった。

「この辺りですね」

しゃがんで該当の書籍を2冊ほど取り出して、そのままの姿勢で沢田に手渡す。

「ああ、すみません」

沢田は受け取った書籍を数ページめくって目次を確認しているようだが、しゃがんで膝上までずり上がったタイトスカートの裾から覗く太ももとニットの胸元から見える深い谷間に釘付けになっていることは里美にはよくわかった。

「こっちの棚だったんですね、見当外れなところを探してました」

苦笑いでたどたどしく言葉をつなぐ沢田は、明らかにどぎまぎした様子で目を泳がせている。
自分に欲情している男が目の前にいる。そう感じると里美は子宮がきゅんと疼いた。

「ちょっとわかりづらいですからね」

時間は18時前、図書室にこの後人が入ってくることはもう考えられない。
立ち上がる拍子にバランスを崩したふりをして、里美はよろけて沢田にもたれかかった。

「あっ…ごめんなさい」

本を持っていない方の手で沢田は里美を支えた。

「いえ、大丈夫ですか?」

平静を装っているようだが、沢田の頬は赤くなっている。

「ちょっと疲れているのかもしれません」

里美は沢田の身体に自分の身体をぴたりとくっつけたまま顔を上げて沢田を見た。
身体が硬直したままの沢田の脇腹から腰のあたりをするりと撫でて筋肉の感触を楽しむ。

「っ…小林先生、なにを」

「沢田先生ってすごく逞しい身体されてるんですね」

「え」

「素敵」

里美は沢田から少しだけ身体を離し、沢田と正対した。それから自慢の爆乳を両腕でぎゅっと寄せて強調し、沢田の胸元に手を置いた。

「こんな逞しい胸に抱かれてみたいな」

「小林先生、あの」

沢田の胸をゆっくりと撫でるうちに、里美はたまらない気持ちになってくる。
このままここで、セックスがしたい。頭の中はそのことでいっぱいだった。

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