親友のために身を捧げたOLの末路
親友とセフレの関係になっている上司にやめてくれるように直談判をした鈴木李央香だったが、代わりに上司の性処理を要求されてしまう。嫌々ながら始めたはずなのに、気付けばすっかり快楽のとりこになってしまった李央香はどうなってしまうのか。
「17時来客、対応されたし」
デスクに戻るとPCに付箋が貼り付けてあった。
まったく心当たりがない上に、終業時間ちょうどのアポイントであることに若干ムッとする。
周囲にこのメモに心当たりはないか確認を取るのだが、誰も知らなかった。
無視をしても良かったのだが、本当に重要な要件だと拙いので、時間まで残っておくことにした。
「どこかの業者さんとのアポがあったっけなあ……」
約束の時間になり、ぼやきながら応接室まで向った。
気を取り直してドアを開けた先に待っていたのは、意外な人物だった。
「鈴木君?」
応接室の中にいたのは部下の鈴木李央香だった。
「えっと、お客様はまだ見えられていないのかな?」
私の馬鹿を装った言葉に、鈴木君はいかにも馬鹿にするように溜息を吐く。
「察しの悪い人ですね、私が呼んだに決まっているじゃないですか」
いつものように、いやいつも以上に厳しい目で鈴木君は私を睨み付けてくる。
左目の下の泣きぼくろが印象的な鈴木君の涼しい顔を見ていると、訳もなく嗜虐心が湧いてくるのを覚えていた。
「何を馬鹿みたいにヘラヘラしているんですか?」
「いや、すまない。思いも寄らないことに驚いていただけだよ」
「……減らず口を」
鈴木君の視線がさらに厳しくなったところを見ると、どうやら口元が緩んでいたらしい。
だけど、私は反省などする気もなく鷹揚に口を開いた。
「ところで、特に用がなければ帰ってもいいかい?」
「はぁ? 何で呼び出されたか本当に分からないんですか?」
「まったく」
即答した。
正直、後ろ暗いことはたくさんしているが、鈴木君に何かをした記憶はなかった。
鈴木君は忌々しげに舌打ちすると口を開く。
「……浅村と別れてください」
なるほどと、思わず手を打ちたくなったが流石にそれはやめておいた。
浅村――浅村優――は、私の部下だった。
そして、どうやら浅村君は私に好意を持っていて、現状ではセフレの一人と言ったところだ。
そういえば鈴木君と浅倉君は親友だったなあ、と今さらのように思い出していた。
「んっ? ……ああ、なるほど。でもさ、別に付き合っているつもりはないよ」
「ぬけぬけと……。嘘を吐かないでください」
今にも刃物を持ち出しかねないほど鬼気迫る視線で、鈴木君は睨み付けてくる。
私はそれでも余裕の態度を崩すことはなかった。
「嘘じゃないよ。確かに何回かエッチしたけど、別にそれだけだし」
「浅村の気持ちをもてあそんでるじゃないですか」
「それは鈴木君の考えだよね。浅村君から頼まれたのかい?」
「――っ」
私の言葉に鈴木君がつまる。
そう、浅村君は私に好意を抱いていて、現状に不満はあれど、それを解消しようとは思っていない。
何とか恋人の地位を得ようともがいている最中のはずだ。
だから、鈴木君の言葉はまったくもって彼女のためになりはしない。
「浅村君が嫌がっていないのに、なんで無関係な君が口を出してくるのかな?」
「だったら真面目に浅村と向き合ってください。そうじゃないなら、彼女を自由にしてよ」
「……ふむ、まるで学生みたいなことを言うね、君は。いつもの冷静さの欠片もない。もしかして――」
「――別に貴方が考えているようなことではないです。でも親友として放っておけないんです」
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Muchas gracias. ?Como puedo iniciar sesion?
eoyhwrwrai さん 2024年10月27日