隘路 (Page 8)

「最後までするの?」
「しよ? これじゃ、こっちもおさまりがつかないし」
「分かった」
「じゃあ脱いでよ、下」

 口淫をカリンにした時と同様に香史郎は言われるがまま、ズボンと下着を脱いだ。彼女も同じようにズボンと下着を床に脱ぎ捨てる。

「挿れる場所、教えてあげる」

 香史郎の知識としてしか知らないにない行為に及ぶ覚束なさを、カリンがゆっくりとリードする。男根の先端を膣へと手で導き、すぐには挿入させず入り口付近でしっかりと愛液を先端に塗す。
 挿入のための準備だけでも刺激が強く、香史郎は射精してしまわないように耐える。

「じゃあ、挿入れるよ。そう、そうやってゆっくり腰を前に。……んん、くぅ。あぁ、中に入ったよ。分る?」
「分か、る」

 手とも、口とも違う肉の花弁に先端を捕らえられた香史郎は、その未知の感触に酔い痴れていた。さらに腰を押し進めると雁首だけでなく、竿にも程よい圧と吸い付きがあってどこまでで挿入していきたくなる。
 だが、膣も行き止まりがあった。
 子宮口だ。そのこりこりした感触は痛みもなく男根の先端を受け止め、口付けるように吸い付いている。
 女体がもたらす性感にすっかり香史郎は酔わされていた。

「もっと、動いていいよ」
 そろりそろりと腰を引くと膣肉が雁に引っかかって、ぞりぞりと肉を削ぐような快感が溢れ、挿入時とは違う感触に香史郎は腰が抜けそうになってしまう。

 一方のカリンは口淫による絶頂の余韻からは抜けきったのか、顔には多少余裕が戻っていた。彼女は下腹に力を入れ、膣の締め付けを強くする。すると香史郎の顔が面白いように強張った。

 カリンの胸中に奇妙な独占欲が芽生える。
 するっとカリンは自分に挿入している男の腰へ足を絡めた。
「ほら、もっと動いて。気持ちいいよ?」

 素直に香史郎が腰の動きを速める。
 じわじわと肉槍が角度を鋭く、硬度を増していく。
 膣肉を抉る力が強くなって、膣から引き出される度に白く濁った愛液をまとわりつかせて淫臭を撒き散らす。

 それがさらに香史郎とカリンを興奮させた。
 肉の打ち合う音が高くなり、連続する。

 体の奥から快感が湧き出し、カリンの思考を少しずつ白く染めていく。淫液が床に零れるほど膣穴から掻き出され、やけに興奮している自分を自覚してしまう。

 一方の香史郎は生まれて初めて味わう交合の味にすっかり酔っていた。理性はすっかり鳴りを潜め、残ったのは始原の本能。女を孕ませたいと射精へ一直線に向かう。
 香史郎の遮二無二な腰振りと、カリンの性感の高まりが重なり、絶頂へ肉体も精神も高まっていく。
「あ、あ、あん、あぁん。……それっ、そこぉ、もっと、もっと! イかせて、ああ、きもちいいょぉ、コーシロォ」

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