エレベーターが止まったら (Page 8)

「あぁ…ん、いぃ…っ」

少しずつ上下運動を速く、激しくしていきながらひかりは思い出したように指先で隆太の乳首に触れた。

「はぁっ…」

突然の乳首への刺激に、隆太は声をあげた。
こんなことをされたのも、初めてのことだ。
隆太は自分の中の知らない性感に目覚めるような快感をおぼえている。
ひかりは乳首をこりこりと指で弾いたり、乳輪をくるくるなぞったりしてまるで女性の乳首にするような愛撫を与えながら腰の動きをどんどん速めた。

「あっ…あ、あぁ、ますださん…っ」

乳首とペニスを同時に刺激され、混乱しながら隆太は快感に溺れている。
じゅぼっじゅぼっといやらしい水音が室内に響き始めるほどひかりの動きが激しくなって、彼女もまた自分の絶頂に向かっていった。

「あぁんっ、はぁ…っ、いいぃ、きもちぃ…っ、あぁぁ」

「すごい、あっ…あぁ俺もう…っ、あぁ」

ひかりの膣内がきゅっきゅっと細かく収縮して、ペニスを柔らかく絞り込む。

「んんっ、イこ…一緒にイこぅ?…はぁ、あぁん…っ、ふぅ、あぁぁいっ」

「っ…はぁ、いくいく…イクっ」

2人は同時に絶頂し、隆太の射精をより促すように、ペニスを吸い込むようにひかりの膣内はきゅうっと締まってびくびくと痙攣した。
腰を震わせながら絶頂を味わい、脱力したひかりは起こしていた上体を隆太の身体に重ねるように倒した。
今まで知らなかった快楽を、衝撃的に脳に覚え込まされた隆太は、ぼんやりとした頭で倒れ込んできたひかりの身体に腕を回した。

*****

「増田さんって…あの…」

ひかりのベッドでしばらく休んでから、起き上がった隆太はおそるおそるひかりに問いかけた。

「ひかりでいいですよ」

「ひかりさん…って、痴女…なんすか」

「はははっ、なにそれ失礼じゃない?」

「すみません、えっと…なんていうか」

「痴女じゃなくて、Sっ気が強めなんです多分」

「…はぁ」

「大久保さんは、だからMなんじゃないですか?もし今日のエッチが良かったなら」

「え…えむ…」

「素質ありそうと思いましたけど」

言いながら隆太の顔を覗き込むひかりは、やはりいたずらっぽく笑っている。

「合いそうだったら、またどうぞ?せっかく同じとこ住んでるんだし」

ひかりは立ち上がって、上着を羽織りながらキッチンに向かった。
その後ろ姿を見て、隆太はまだ見ぬ自分を彼女に開発されたいという欲望がむくむくと湧き上がるのを感じているのだった。

(了)

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