夏の熱 (Page 4)

「…あんっ」

恵の口からひときわ大きな声が漏れる。
目をつぶりながら頬を紅潮させた彼女の顔はとても美しい。
その顔を見ながら、俺は長年の思いをぶつけるように遠慮なく最奥を突き始める。
最奥を何度もいじめて、子宮口に俺の先走りを塗り付ける。
腰が抜き差しされるたびに、暗闇の中でぬぷぬぷという
淫靡な音が響き渡った。

「恵…恵…なんで俺じゃないんだ…なんで…」

密かに思いを寄せていた相手が他者のもの…
それも自分の兄のものになってしまったという耐えがたい絶望感。
それらをぶつけるように、俺は恵の膣内を執拗に突き、犯した。
一方的な愛欲の押し付け、許されることではない。
それでも俺は恵が好きで、愛していた。

「うっ…」

腰を動かすのを止め、恵の子宮口に先端をぐりぐりと押し付けた。
何度も何度も突いて柔らかくなったそこは優しく俺のものを受け入れてくれる。
子宮口に押し付けられた先端から一拍遅れて白濁としたものが吐き出された。
ぴくぴくと、陰茎が脈打つたびに吐き出されるそれはあっという間に恵の子宮内に侵入しそこを白で満たした。
吐き出されるものはなかなか勢いが収まらず、逆流したそれはシーツに白いシミを作る。
俺は射精の心地よさを味わうように、腰を揺さぶって余韻を味わった。
すると射精して萎えたはずのそれがすぐに硬さを取り戻す。

「恵…孕め…孕めよ」

愛しい存在と一緒になることはできない。
ならばせめて、自分との子供を知らぬ間に妊娠してくれれば。
あわよくばその子を産んで育ててくれれば。
そんな欲望がむくむくと湧き上がり股間でそそり立つものをさらに硬くした。
ただ目の前の女に自分の子供を種づけるために、俺は何度も腰を振り、恵の中に吐精した。

 

 

「おはよう、信二君。ずいぶん遅くまで寝ていたのね」

リビングの扉を開けてすぐにそう声をかけられ、心臓が一瞬大きく跳ねた。
緊張を悟られないように、なるべく自然な笑顔を作りながら口を開く。

「昨日は仕事が遅くまで終わらなくて」

「ふーん、在宅のプログラマーもプライベートがなくて大変なのね…」

リビングの床にペーパーモップをかけながら、恵は俺に笑いかける。
その顔に昨晩の光景がフラッシュバックした。
薬の効果が切れる明け方近くまで恵の中に欲望を吐き出し続けようやく興奮が収まった俺は、膣口から飲み込み切れずにあふれ出したものや恵の身体中に吐き出した欲望をふき取り後片付けをした。
そして何食わぬ顔で昼間のリビングで彼女と顔を合わせている。

「恵さんは昨日よく眠れた…?」

薬が効いていたため、昨晩の記憶が残っているはずがないが念のため聞いてみる。

「昨日?よく眠れたよ」

俺の言葉に恵は不思議そうな顔でそう答えた。

「そう…ならよかったよ」

「そういえば聡一さん出張長引きそうだって。お義父さんとお義母さんもまだ旅行から帰ってこないみたいだから、信二君もうしばらくよろしくね」

恵の無邪気な笑顔。
俺はその顔に微笑み返してから、心の中に昨晩の興奮が湧き上がるのを感じていた。

(了)

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