残り一枚なにを撮る?

・作

いとこ同士で生まれた時からずっと一緒にいた芦原直哉(あしはら なおや)と清音。大学の進学ほきっかけに離れ離れになった二人は、一年ぶりに再会することになる。果たして二人は近すぎるだけの関係から脱却し、結ばれるのか。

 預けていた荷物がコンベアで流れていくる。その光景は地方空港でも、主要都市にある巨大な空港でも変わりがない。その過多やサイズ感に違いがあっても人間が使う以上、使い易い形は決まっているのだろう。

 そんなことを考えていると、背後から声が上がった。

「なおちゃん、こっちこっち」

 呼びかけられ、芦原直哉(あしはら なおや)は振り返る。

 振り返った先で、彼の従妹である清音(きよね)が手をひらひらと振っていた。

 一年ぶり再会だが、あまり外見は変化していないようだった。化粧っけのない彼女は無造作に髪を束ねただけで、着ている物も量販店のものだ。それでも野暮ったい感じにならないのは、彼女がそれを着こなしているからだろうか。

 少ない荷物を持ち直し、直哉は歩み寄っていく。にこにこと笑った清音の前に辿り着くと、妙な気恥ずかしさがあった。

「わざわざ、ごめんね。迎えに来てもらって」

「ううん。大丈夫。久しぶりだねぇ」

 細い目をさらに細めて清音が笑う。日向で眠っている猫のような顔だと、小さな頃から直哉は思っている。口に出したことはないが。

「運転は上達した?」

「まあね」

 連れ立って歩き、二人は空港の駐車場に停めてある清音の車へと乗り込んだ。

 小さな地方空港は直哉と清音が子どもの頃に建設され、就航した。しかし、地元が期待したほどの外来はなく、その殆どを直哉のような帰省客かビジネスでの利用が占めている。

 直哉が車窓から仰ぎ見る空港は主要都市のものとは違い、小ぢんまりとした慎ましいものだ。

「真っ直ぐ帰っちゃっていいの?」

「うん。疲れたし」

「そうだよねぇ、飛行機ってなんか怖いし」

「きよちゃんって、まだ飛行機が怖いの?」

 思わず直哉が笑うと清音は不服そうな顔をする。

「だって、自分で動かしてるわけじゃないし、怖くない?」

「いいこと教えてあげようか?」

「なになに?」

 清音が楽しそうに身を寄せきた。微かに柑橘のような香りが直哉の鼻先をくすぐる。

「飛行機と自動車だと、自動車の方が事故を起こす確率って高いんだよ」

「えっ、なにそれ」

 心底嫌そうな顔をして彼女は身を引いた。その様子にまた笑いながら直哉は後部座席へと荷物とお土産を置く。

「まあ、安全管理の――」

「ストップストップ」

 直哉が長々と喋りだす前に彼の口を清音の手が塞いだ。ひんやりとした手と細い指先の感触が直哉を否応なく黙らせる。

「その話、長いでしょ」

 こくりと直哉が頷くと彼女は苦笑した。

「話の長い男の人って、モテないらしいよ?」

「……」

「それとも」

 彼女は直哉の口から手を離し、ハンドルに寄りかかる。ハンドルに顎を乗せた格好で横目に彼を見て、清音は慎重な口ぶりで訊ねた。

「もう、カノジョできた?」

「いないよ」

「ふぅん、ほんとにぃ?」

 疑うような、からかうような口調だが、清音の顔は妙に嬉しそうだった。そんな彼女の表情を見ていると、直哉の顔も知らずら知らずのうちに緩んでいる。

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