ノンストップ痴漢特急~儚く散った女子校生の青い花~
柄本南海絵(えもとなみえ)は聖澤女学園の2年生。テニス部の部活動を終え、疲れた体で快速特急電車に乗ったが、あいにく電車は満席。彼女は家路に就いたが、実は彼女の乗った車両は痴漢師たちに占拠されていたのだ。次の駅まで約30分間のノンストップの旅、南海絵は痴漢師によって辱めを受ける――
「お待たせいたしております。1号線に停車中の電車は、17時45分発・桃田橋行き快速特急、桃田橋行き快速特急です。発車まで、あと3分ほどお待ちください」
1人の女子校生が、息を切らし、駆け足で電車に飛び乗った。少女の名前は柄本南海絵(えもとなみえ)、聖澤女学園2年生。南海絵はテニス部員で、いつも日に当たっているのだが、とても色白で、しかもきめ細かなハリのある肌をしており、伸びやかな肢体に黒髪のポニーテールと涼しげな目がよく似合う美少女だ。
南海絵はテニス部の部活動を終え、快速特急電車で家路に就くところである。快速特急は、中間駅はほぼノンストップで、始発駅近くと終着駅近くの主要駅のみ停車する。南海絵が乗った始発駅の時点で、ロングシートの座席は満席、車内は結構混んでいた。もちろん、南海絵も立つ羽目になってしまった。
「桃田橋行き快速特急、ただいま発車します。ドア閉まります、ご注意ください」
プシューッという音ともにドアが閉まると、電車は程なく発車した。
「次は、山中島です。山中島を出ますと、天神橋まで停りません」
電車は次の山中島駅を出ると、約30分間のノンストップ運転となる。南海絵としては、山中島駅で素早く空席を見つけて着席したかった。しかし、南海絵の乗る車両では、山中島駅で下車する乗客はおらず、逆にますます乗客が増えてしまった。
「次の停車駅は天神橋です。天神橋まで、約30分です」
車掌のアナウンスが流れた。部活で疲れた南海絵にとって、実に無情の響きだった。
「はァ……」
南海絵は思わずため息をついた。南海絵は着席することを諦めると、ドアとドアと中間あたりにあるポールに掴まった――
ゴトンゴトン、ゴトンゴトン……
レールの継ぎ目の音が、車内にリズミカルに響いている。乗客は会社や学校で疲れた人が多いのか、特に会話をする声などはしなかった。
南海絵はイヤホンで音楽を聴きながら、左手でポールを握り、右手に参考書を持って勉強していた。
と、南海絵は臀部をスーッと撫でられるような不快感を感じた。そっと振り返ってみたが、後ろにいるサラリーマン風の男には、特に怪しい動きは見られなかった。
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