老いるには早すぎる (Page 3)
その日、琴葉は明久と共に資料を運んでいた。エレベーターに乗ると、経理部の部長が乗っていた。タバコ休憩にやたらに行くのが有名で、今もタバコの匂いをさせていた。琴葉の胸を無遠慮にじろじろ眺めて話しかけてくる。
「君、中途入社なんだって?」
「あ、はい」
「いいよねえ、胸が大きくて可愛かったら採用してもらえるんだから」
ダンボール箱を持つ手に力が入った。
「それは、関係ないと」
「そんなに胸が大きかったら肩こるんじゃない? 栄養が脳じゃなくて胸にいっちゃったかな?」
必死に耐えて、ぎこちない愛想笑いを浮かべる。
「お言葉ですが、東さんはよく頑張ってくれていますよ。仕事の覚えも早いですし」
口を挟んだ明久に部長が白けたような表情になった。
「あー、そう?」
「少なくとも、仕事もせずに人の嫌がる事を平気で言うような人間より働いてくれていると思います」
エレベーターが着いて扉が開いた。
促して琴葉を先に行かせ、明久も下りる。扉が閉まると、琴葉はぺこりと頭を下げた。
「あの、ありがとうございます」
「いやいや」
「でも、人見さん大丈夫ですか? 部長にあんな事……」
「いいんだよ、俺も腹にすえかねていたから。もっとも、自分の事だと気づいたかどうか怪しいものだけどね」
*****
「ああ、そんな事もあったね」
「そんな事って言うくらい、人見さんは自然に助けてくれているんです。私は、そんな人見さんが好きです」
「年の差が……」
「好きになったら関係ありません。もう、大人なんですから」
琴葉が明久の腕にすがりついた。
「人見さんは、私が嫌いですか?」
「そんな訳ない」
答えながら、ずるい訊き方だと思った。だがそのずるさが断られたくないと必死なのだと伝わってきて、愛しさがこみ上げてくる。
バスタオルを外して琴葉の胸に手を当てた。しっとり濡れた肌が吸いつき、柔らかさに指が沈む。
「ああ……」
琴葉が体をくねらせる。
久しぶりの女体に、明久は下半身に再び熱が集まるのを感じた。もう枯れたと思っていた性欲がせり上がってくる。
たまらず、胸にむしゃぶりついた。揉みながら舌を這わせて吸いつく。
「んんっんうっ」
琴葉は胸が弱いらしく、小さく痙攣しながら軽くイッているようだった。
イカせている事に自信がわいてくる。明久は顔を離してゴムをつけた。
「挿れるよ」
キツさとぬめりに腰が震えた。奥まで挿入して動きを止める。
「大丈夫か?」
「はい」
琴葉の目から涙がこぼれた。
「すみません、嬉しくて……あっ?」
中で大きくなったのを感じて琴葉が声を上げた。
「いい年をして恥ずかしいが……そう言われると、たぎる」
腰を押し付けるように突き始める。
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