懐かしの赤いパンティ (Page 4)

第4章
Tバックの誘惑

関係者駐車場に行ってみると、ベンツ改のキーを預けておいた峰子は助手席に座ってスマホを弄っていた。多分、明日の残務処理についての指示を出したと思われた。
邦夫がドライバーズシートに乗り込むと、

「荷物は勝手にトランクに入れておいたから。それにしてもこの骨董品、エンジンとトランクの鍵が別々なんだもんね。思い出したわよ」

「昔の男も乗っていたとか?」

「こんなダサいのは乗ってないけど、同じメーカーのは何人かは(爆)」

悪びれずにカミングアウトした峰子の口調が面白くて、2人は車内で大笑いしたのだった。
それからは、邦夫がこの出張中に毎日のように夕食を食べに行っていた居酒屋に寄って、「お疲れ会」をつつましく開催したのだった。
ビールに始まり、焼酎に変えてからも2人のペースは落ちずに、2人は機械のようにグラスを空けていったのである。

そんな時にふと峰子が、
「いつまで、こんな生活が続くんだろうね」
と、呟いた。

いつも、“イケイケのノリ”で、スタッフを引っ張っている峰子の“弱気な一面”を初めて覗いたような気がした。

「誰かさんが、派手なパンツを穿いているうちは、まだまだ先は長いんじゃないの?」
邦夫は言っている内容は下ネタでも、いたってマジメな顔で答えていた。

「もぉ~、若い頃から股間ばかりチラチラ見てたのは知っているのよ。私に気があるんじゃないのぉ」
こう、肩を寄せながら耳打ちしてきた峰子の顔は心なしか上気しているように見えたのである。そのタイミングで邦夫は、
「この前の雨の日に駅まで送っていったでしょ?あの時も“赤いの”が見えてたんだよ。透けてなかったけど。相変わらず、いつも赤パンなの?」

「じゃぁ、見せてあげるわよ。こんな、オバパン(オバサンのパンツ)のオバマン(オバサンのマンコ)で良ければ。どうせ、ホテルは取ってあるんでしょ? 河岸変えましょうよ」

そう言って勘定書きを邦夫に押し付けて、自分は女将に「代行」の手配をお願いしていた。
「どこのホテルまで行くのかは、いま会計している男に聞いてください」。

そうして代行を頼んで、邦夫たちはホテルに帰っていったのである。そして、部屋にインるとすぐに「久しぶりのオトコだから、最初は荒々しく抱いて」と、峰子は腕を首に巻き付けてきた。

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