都合のいい僕たち (Page 4)

「あ、吉岡君のおちんちん、ちょっと膨らんだよ。興奮してる?」

「……かもしれない」

「隠さなくていいのにっ……んっ、あっ……はあんっ……」

 

だんだんと姫野さんの呼吸は荒くなり、それと合わせるように腰遣いも激しくなっていった。

一定のリズムで叩きつけられる姫野さんの尻肉の感触が気持ちよく、思わず掴んでしまったが姫野さんは僕を見て微笑んだだけで、文句は言わなかった。

そのまま僕は姫野さんの尻肉を掴み、動きに合わせて僕の腰へと深く落ちるように手伝う。

 

「あっ、あ!それっ、好き……ふかあっ、あっ!んうううっ!」

 

前のめりに僕の身体に倒れ込む姫野さん。

キスができそうな距離感だったけれど、見つめ合うだけで僕らは腰のみを動かす。

 

「ふっ……ぐ……」

「吉岡君、出そう?そろそろ出しちゃいそう?」

 

射精感が込み上げてきて歯を食いしばる僕に、姫野さんは嬉しそうに問う。

僕は鼻息荒く、頷いた。

 

「んふ、我慢しないでイイよ。出して!いっぱい、私の中にっ……!」

 

姫野さんは力強く何度も腰を打ち付ける。

その気持ちよさに、僕はついに達した。自慰の時とは比べ物にならないくらいの量の精液が放たれる。

ドクドクと姫野さんの中に精液が流れていく。

正確に言えばコンドームの中に流れていっているけれど、それでも姫野さんの中で出していることには変わりない。

腰が浮くくらい姫野さんの膣口にペニスを押し付け、僕は最後まで気持ちよく射精を続けた。

射精が落ち着くと、姫野さんはゆっくりとペニスを引き抜き、僕の上から降りた。

 

「お疲れ様。……うわ、すごい出たね」

「ふっ……ふうっ…………う、うん……」

 

凄まじい快感の名残を感じながら、僕は息も絶え絶えに姫野さんの言葉に同意する。

まるでペニスの先に重りがついているような感じだ。

ペニスにかかっている重力が、コンドームの中に溜まった精液の量を物語っていた。

 

「ね、ちょっと休憩したらもう一回しようよ。まだできるでしょ?」

 

姫野さんはウキウキとした様子で僕に聞いてくる。

 

「お願い」

 

ねっとりと、承諾が貰えることを知っている声で僕に聞く。

それは学生時代そのままの姫野さんだった。

そんな彼女の目を見て、僕は僅かに間を置いてからいいよ、と小さく漏らす。

答えを聞いた姫野さんは嬉しそうに僕の隣に倒れ込み、僕の額にキスをした。

 

彼女は願いを叶えてもらい、僕も得をする。

都合のいい僕たちのいつまで続くかわからない関係性に、期待は膨らむ一方だった。

(了)

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