変態彼女の介護日記 (Page 2)

「っあ、あ、ああ、ああ、ん、んひゅ、あ、あん、んひゃ、ん、んく、っ!」
 奈々の口から、途切れ途切れの嬌声が漏れていたが、不意に途切れる。
 俺はハッとして身体を起こし、彼女を見下ろした。
 
 手脚を人形のように投げ出した彼女は、焦点の合わない濁った瞳で天井を見上げながら、涎を溢れさせる口をパクパクと動かしている。
 
 その唇は真っ白で、まともに息ができているようには見えない。
「奈々っ! しっかりして!」
 俺は慌てて彼女の頭を動かして気道を確保し、白く冷たくなった唇に吸い付いた。
 溢れる涎を飲み干してから、肺に溜めていた息を吹き込んだ。
 
「っ! んんんっ!」
 奈々の瞳に光が戻り、大きく見開かれた。
 ホッとして身体を離すと、彼女は少し咳き込んでゼエゼエと音をさせつつも大きく深呼吸をする。
 
 良かった、息ができるようになったらしい。
 少し怒ったふうに眉を寄せた顔が、すごく可愛い。
 
「ふう、ふう。ふう……、やめてって言ったのに」
「ごめん、奈々が可愛すぎて。あと、蜜が美味しくて止められなかった」

 正直に告白すると、奈々の頬が赤く染まり少し視線が外れる。
「……ばか」
 もうたまらん。
 彼女に覆い被さるように四つん這いになっていた俺は、そのまま彼女の上に伸し掛かり、ぎゅっと抱き締める。
 
「んんん」
 少し甘い音が漏れ、細くて柔らかい身体が震えた。
「……ごめん、ちゃんとする」
「ん。……えっちなのは後でね」

*****

 俺の彼女は身体が弱い。
 ついでにちょっと鈍くさいし、ツイてない。
 
 だから、朝の通勤ラッシュで階段から落ちて、両手両足がギプスで固められた。
 来週にはギプスを外せるところまで回復した途端、病院の都合で早めに退院させられたのもツイてない所以だろう。
 
 で、何もできない彼女の介護に、俺が駆り出されたわけだ。
 もちろん、手も足も出せない彼女相手に、介護をするだけで我慢できるわけない。
 だから、思わずさっきは調子に乗ってしまった。
 
 怪我をして俺に依存している彼女には拒否できないのに、ひどい話だろう。
 昔から、達したら息が詰まることが多いというのもあるんだから、自重しないと。
 でも、鼻の奥に残っている彼女の匂いに、股間が重くなっていた。
 

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