鬼斬りの鬼 (Page 4)

「逃げなさい」

 イズミは黒鬼に日本刀を向けながら女子学生に言う。

「死にたくなければ、逃げなさい」

 その声に押されるように、女子学生は黒鬼とイズミに背を向けて、その場から走って逃げた。
 エサに逃げられた黒鬼は、忌々しそうに舌打ちをする。

「貴様……何者だ?」

 黒鬼に問われ、イズミは答えた。

「鬼を狩る者……お前を斬る」

 イズミの答えを聞いた黒鬼は、馬鹿にしたように鼻を鳴らす。

「俺を斬るだと? 小娘が、生意気なことを言う」

 黒鬼の右手には、いつの間にか金棒が握られていた。
 トゲだらけの、太い金棒。

「犯して、殺して……食らってやるっ!」

 金棒がうなる。
 イズミは後ろに跳んで、金棒の一撃をかわした。
 かわしながら、日本刀を振る。
 日本刀の切っ先は、黒鬼の胸をかすった。
 黒鬼の胸に一部が浅く裂け、そこから血がこぼれる。
 しかしすぐに血は止まり、傷は見る見るうちにふさがっていった。
 黒鬼はさらに金棒を振る。イズミは上半身を後ろに反らす。
 Gカップの乳房の前を、うなりを上げて金棒が通過する。
 上半身を反らした姿勢のまま日本刀を振ろうとするイズミだが、それよりも速く黒鬼が金棒を振った。
 イズミはその攻撃を、後ろに跳んでかわす。
(この鬼……強い)
 目の前にいる黒鬼は、並の鬼ではない。
 かなりの強さを持つ鬼だ。
 イズミは左手の鞘を捨て、両手で日本刀を構えた。
 黒鬼との距離を一気に縮め、日本刀を振るイズミ。
 その一撃は黒鬼の胴体を縦に大きく裂くはずだった。
 だが、金棒で防がれてしまう。日本刀と金棒がぶつかり、火花が激しく散る。
 防がれた瞬間、イズミは次の一撃を放っていた。
 だが、その一撃も金棒で防がれてしまった。
 やはりこの黒鬼は、並大抵の鬼ではない。

「その程度のウデで、この俺を斬るなどと、笑止っ!」

 金棒を振る黒鬼。
 イズミは後ろに跳んで、その一撃をかわす。だが、完全にはかわしきれなかった。
 ベストとブラウスが裂け、Gカップの乳房を覆うブラジャーが露わになる。
 凝った刺繍が施されたブラジャーの色は、濃い緑色。
 豊満な乳房を覆うブラジャーを隠そうともせず、イズミは黒鬼との距離を縮めて日本刀を振った。
 だが、また金棒で防がれてしまう。イズミの攻撃は黒鬼に届かない。

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