鬼斬りの鬼 (Page 7)

「ああっ！　くあ……くぅああっ！」

　男根が秘洞をえぐる音と、イズミの声が混ざって大きく響いた……。

　イズミの声を聞きながら、黒鬼は彼女の体勢を変える。
　あお向けからうつ伏せにされるイズミ。
　黒鬼はイズミの引き締まっている尻を高く上げさせ、後ろから彼女の秘洞を突いた。
　ガンガン、ガンガンと激しく突く。

「ああっ！　ふぅああっ！　ああっ！」

　遠慮が感じられない黒鬼の腰の動き。
　イズミの体を破壊しそうな激しさだ。
　イズミの声に混ざるのは、彼女の尻と黒鬼の股間がぶつかる音。
　パンパン！　パンパン！　という音。
　野太い男根で激しく突かれるイズミは、頭がクラクラするような感覚を抱いた。
　黒鬼が男根で突くたびに、その感覚は大きくなっていく。
　頭がクラクラするような感覚……それはイズミから意識を奪おうとする魔の手。
　何度も何度も秘洞を突く男根は、いつしか脈動を開始していた。
　秘洞をえぐるたびに、男根の脈動は大きさを増していく。
　黒鬼は勢いを付けて男根をイズミの秘洞から抜いた。
　その直後、野太いソレが弾ける。
　弾けて、白濁した体液を放つ。放たれた白濁液は、かなりの量だ。
　イズミの尻や背中が白く汚されていく。
　強い匂いがイズミの鼻孔に漂ってくる。
　イズミは意識を失ってしまいそうだ。
　黒鬼は金棒を持つと、食事の邪魔をしたイズミの頭をそれで潰そうと振り上げた。
　振り下ろされる金棒。イズミの頭を潰すかと思われたが、イズミの頭は潰れなかった。
　黒鬼が振り下ろした金棒は、床に穴を空けただけであった。

「なにっ！？」

　驚く黒鬼の視界の端に、ジャンプして金棒の一撃を避けたイズミの姿が入る。
　床に着地するイズミ。

「貴様……同族か！？」

　イズミの姿は、変化していた。人間の姿ではなかった。
　姿が変化したイズミは、

「違うわ」

　と答えた。

　イズミの目は血でも吸ったかのように真っ赤で、額からは金色の2本のツノが生えていた。
　肌の色は赤い。
　女の赤鬼……そうとでも呼ぶべき姿に、イズミは変化していた。

「私は混血よ。鬼と人間の混血……それが私」

　鬼の姿となったイズミは、床に落ちている日本刀を拾う。

「この姿にはなりたくなかったわ。この姿は嫌いなのよ」

「鬼と人間の混血児……忌（い）み子か」

　鬼と人間の混血児……鬼にとっては忌まわしい存在だ。
　エサでしかない人間との間に産まれた鬼など、忌まわしい存在以外の何でもない。
　忌み子であるイズミを殺すため、黒鬼は金棒を振る。
　彼女の頭を狙った横振りの一撃。だが、その一撃は空振りに終わった。
　視界から消えた……黒鬼はそう思った。
　その直後、すぐ目の前にイズミの姿が現れた。

「私にとっては、鬼の方が忌まわしい存在よ」

　日本刀が振られる。
　黒鬼の首が飛ぶ。

「私は人間が好き。だから人間を守る。だから鬼を斬る」

　切断された黒鬼の頭部は床に落ち、思い出したように頭部を失った巨体が倒れる。
　床に落ちた黒鬼の頭部には、信じられないという表情が浮かんでいた。
　イズミは鞘を拾い、日本刀を収める。
　黒鬼の死骸に背を向けると、死骸は灰と化していった。
　イズミはその場から、静かに歩いて去った……。

　この世界には鬼と呼ばれる存在がいる。
　鬼にとって人間はエサでしかない。
　人間を食らう鬼から人間を守る者もいる。
　それは人間と鬼の混血児。
　鬼を斬る鬼であった。

（了）