45歳バツイチ男のモテキはラッキースケベから始まる。 (Page 12)
【柿原 みすず(かきはらみすず)22歳/派遣社員/メガネ女子】
『表と裏を使いこなして新しい出会いを!!』
占いを信じているわけではないが、さすがにこれだけ『当たり』が続くと警戒してしまう。
(新しい出会いなど…求めてはいないんだがな…。)
来海がうちで暮らすことになってから1週間。部屋を借りる分のお金は払うと言っていたが、私は断った。納得のいかない彼女に、次の仕事が見つかるまで家事を行うという条件で何とか折り合いをつけた。
実際のところ、彼女の家事スキルは高く、毎日美味しいご飯を食べて出社することが出来ている。ただ…晩御飯を精力が付くメニューで統一するのだけは止めてほしい。
「はい!新田さん、頼まれた作業終わりました。」
メガネをかけた黒髪の小柄な女性が私に声をかけてくる。
「すみません。私一人では時間がかかりそうだったので猫の手も借りたいほどだったんですよ。」
「いえ…これくらいの雑用なら、私でもできますから。」
彼女は派遣社員の柿原みすず。身長は150cmもないんじゃ無いかというくらい小さい。周りの社員たちからもマスコットの様な扱いを受けている。
「ん?…持ってきてもらった資料の番号がずれているみたいですけど…。」
「え!?うそ!!す、すぐにやり直してきます!!」
ここ数ヵ月で、いくつかのプロジェクトに参加してきた彼女だが、その全てでイージーミスを侵している。
何か精神的に負担がかかっているのか、ヤル気が空回りしているとの話だ。
なので、私と共に1度プロジェクトから離れ気分転換を…必要ならば本人の望む部署への異動も視野に入れてあげてほしいとの事だ。
(話によると、彼女も来海と同じくらい優秀なようだからな…何とかして原因を取り除いてあげないと。)
「―――はぁ…すいません新田さん。私のせいで余計に時間を取らせてしまって。」
(見るからに落ち込んでいる、重症だな…。)
結局、先ほどの資料は私が見つける事となった。
「気にしないでください…少し休憩しましょうか?二人だけの作業ですし…何か飲み物でも飲みましょう。」
「はい…じゃあ私が!」
「雑用歴なら私の方が長いから任せてください。」
自販機で2人分の飲み物を買って戻る途中、香穂子さんの姿を見かけたが、立ち話をして柿原さんを待たせては悪いと思い、声をかけずに戻ることにした。
使われていない小会議室を借りて一息つく。相変わらず、柿原さんの眼鏡の下は浮かない顔をしている。
(さて、どうやって話を切り出そうか…?)
そんな風に無言で考え込んでいる私の態度に気が付いたのか、柿原さんが突然口を開いた。
「新田さん!わ、わかってます!私が失敗ばかりだから!クビになるんですよね!」
「え?」
そう言って彼女は突然、服を脱ぎ始める。
「柿原さん!?」
「新田さんの噂は聞いてます!早瀬さんが辞めたのも新田さんの判断ですよね!」
「ええっ!?私のせいで早瀬さんが辞めた!?」
どういうことだ?いきなりのことで訳がわからない。
「早瀬さんだけじゃないです!みんな言ってますよ、新田さんが仕事をしてないのに、ずっとウチの会社にいるのは、仕事の出来ない人間をクビにする監査役だって!!」
社内で嫌われているのはわかっていたが…なんか話が変な方向に進んでいるじゃないか。
「お願いします!もう何度も転職を繰り返していて後がないんです!雑用でもなんでもしますから!」
彼女は全裸のまま必死の形相で私に抱き付き懇願してくる。見た目で背も低く、学生のような印象だった彼女の身体は、真白い素肌を晒したことにより尚更幼く見えた。
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