45歳バツイチ男のモテキはラッキースケベから始まる。 (Page 2)
【早瀬 来海(はやせくるみ)25歳/広告代理店勤務/OL】
会社に到着し、自分のデスクに荷物を置くと、私は待合スペースへと向かった。
(部長からの頼みごとだからな…対処しない訳にもいくまい。)
取引先への関係を、悪くしてしまった早瀬さんが落ち込んでいるからフォローをして欲しいとのことだ。
彼女とは数回仕事をしたことはあるが、しっかりと仕事をこなし、実力も申し分ない。他の社員への気遣いも抜け目なく一緒に仕事をしていて気持ちのいいタイプだ。会社としても、そんな彼女が落ち込んでいてはマイナスだろう。
私は、会社の入り口にある待合スペースの1番奥の座席へと向かった。本来この場所は、外部からのお客様をお待たせするスペースだ。
プライベートな部分だし、個室の会議室でもと思ったのだが…生憎午前中は埋まっていた。一応、ここにも仕切りはあるし、今日は外からのお客様は少ない。まだ、清掃員が朝の掃除をしているが、まあ、聞かれても大丈夫だろう。
「清掃中!床濡れ注意!滑ります」
そう書かれた貼り紙を横目に、私は椅子に腰を下ろす。
(早く着すぎただろうか?まあ、なにか予定があるわけでもないし、気長に待とう。)
雑用係の私には、出勤と退勤くらいしか決められた時間は無い。定期作業を除けば、あとは、部長の手伝いや指示で、他の社員のサポートをするくらいだ。
離婚した直後は、もう少し仕事にやり甲斐もあったのだが、目標のないヤル気は長続きするわけもなく、家のローンを返し終えた頃には、私は生きる目的も無くなり完全に枯れ果ててしまっていた。
キーンコーンカーンコーン
受付に置かれているからくり時計が、10時を知らせるチャイムを鳴らす。
(おっ?待ち合わせは9時半のはず…早瀬さんは約束をすっぽかすようなタイプではないと思うが。)
私は彼女を迎えに行くことにした。パーテーションから顔を出すと、肩の上まで切りそろえたショートヘアな髪型とミニ丈のリクルートスーツを着た、いかにもキャリアウーマンといった姿の女性が慌てて飛び込んでくるのが見えた。
(早瀬さん?)
私は、早瀬さんの姿を確認すると、手を振ってアピールをした。
彼女もそれに気づき駆け足で私の方に駆け寄ってくる。
「すいません!新田さん!遅れちゃって…あっ!」
息を切らせて走ってきている彼女に、注意の貼り紙が見えている筈もなく、濡れた床で滑ってしまった。
私は反射的に彼女の手を掴むが、勢いが付いている早瀬さんを静止することはできず、彼女はそのまま後ろに倒れてしまった。
私が手を掴んでいたため、頭を打つことは無かったが、力の行き場を失った彼女の足は空中に投げ出され、そのまま尻もちをついてしまう。
「いったぁぁ!!」
「だ、大丈夫か?」
尻を打った衝撃で、彼女の足は大股開きに開かれ、あられもない姿を醸し出す。普段からストッキングを履いていない彼女だから、適度に肉付きのイイその足の色気は健康美という言葉がぴったりだった。
グレーのタイトスカートが捲れ上がり、引き締まった太股の付け根には、彼女の下着が………見えない。本来なら見えるはずの下着の代わりに見えたものは、丁寧に処理された彼女のアンダーヘアだった。
「えっ?ノーパン…??」
「へ?あ!!きゃあああああ!!」
バチィィィィンン!!!
突然のことに、マジマジと彼女のスカートの中身を覗いてしまった私は強烈な平手打ちをお見舞いされる。フロア中に響くその音に、一斉に視線が集まってしまった。
視線に耐えきれず、早瀬さんは顔を真っ赤にして、会社の外へ飛び出して行ってしまう…誤解(?)されたままではマズイ!私は、彼女を追って会社の外へ飛び出した。
『たくさんのラッキースケベに遭遇するでしょう』
走る私の脳裏には朝の占いの内容が思い浮かんでいた………。
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