異世界で最初に失くしたのはアナル処女ですけどなにか!?
自分の人生に失望していた主人公、小竹 詩(こだけ うた)。気が付くとそこは異世界への入り口だった。これ幸いにと異世界で自分の願いである『男女の普通の恋愛をする』を叶えようとする。しかし、訪れた異世界で出会った男は身の毛もよだつモンスターばっかりで…。
必死に生きてきて、それが報われる可能性はどれくらいだろうか?
それが報われたと実感できるのは、やはり死んだ後なのだろうか?
眼を開けると、そこは雲の上のような…とても澄み渡った綺麗な場所だった。
「はじめまして…コダケ・ウタ。私は世界の理を司る存在…。」
「きたーーーーー!!!!」
歓喜の雄叫び!私の人生全てが報われるときがきたのね!!
つまらない人生にくだらない生き方…それでも必死に生きてきて、最後は事故に巻き込まれて…。
私の記憶は、事故のときからプッツリと途切れている。
気が付いて眼を開けたときには、この場所で、目の前に女の人がいたわけだ。
「…話を続けても?」
「あ!…どうぞ!どうぞ!」
私の名前は小竹詩(こだけ うた)、でも、覚えてもらわなくて結構!私はこれから新しい人生を歩むんだから、過去の名前にとらわれたりしないの!
「それでは…ウタ。ここは、貴方のいた世界とは別の―――――。」
私の推測ならここは異世界の入口のはず…このあとの選択…異世界召喚か、異世界転生か。
どちらにしても私が目指すのは、最高のラブストーリー!
両想いの男性と幾つもの恋愛試練を乗り越えて、最後には本当の愛を手に入れる物語。
二人の出会いから恋のライバルの出現!セレブ気分も味わって、私が主役で、私が活躍する人生を新しく始めるの!
「―――ですので、貴方には、魔王に支配された世界へと出向いてほしいのです。」
「魔王討伐!!!異世界召喚ですね!わかりました!!」
できることなら、転生して令嬢スタートの、人生イージーモードで始めたかったけど…そう都合良くはいかないか。
勇者と言う立ち位置なら、ワンチャン、救った王国の女王になって、国内のイケメンを招集するのも手かな…?
「異世界には、良い男っていっぱいいます?」
「そうですね…あなたが魔王と戦う為には多くの人々の助けが必要でしょうから。頭の良い者。力の強いもの。様々な人と出会うでしょうね。」
ふむふむ…そうなると私以外、全員男の逆ハーレムパーティを作る必要がありそうね。
その辺は、2人の運命の出会いに任せようっと。
「あ!異世界召喚って…私に何かしらのスキルがつきますよね!魔王を倒す為のスキルは選べます?初期ステはランダムです?装備とかは?」
「…詳しい話は案内人の妖精…エルミに聞きなさい。」
女の人が手をかざすと、キラキラと光が零れ落ち、私の足下が空洞へと変わる。
「へ…あ!ちょっと!話はまだぁぁぁぁぁ………。」
落下…真っ暗な闇の中を落ちていく。
しかし、恐怖は感じない。
落ちているというより、下に向かって動いてる様な感覚だ。
私は体勢を入れ替え、おそらく…下と思われる方向に頭を向けた。
かなり落ちてきた為に、下だけでなく上も真っ暗になってしまった。
こうなると自分が落ちているのか、昇っているのかもわからなくなる。
ふしぎの国のアリスもこんな感覚だったのだろうな。
彼女は元の世界に戻るために落ちていったけど、私は新しい世界に進むために落ちていくんだ!
私も、いつかは好きな人ができてその人に私も好きになってもらえると思っていた。
その為にいっぱい頑張ってきたとも思う。
でも、好きな人なんかどこにも居ないと気づいたときに、私の生き方は止まってしまった…。
前髪は眼が隠れるくらいの長さ。
服装は、動きやすさと価格重視のノンブランド。
体力が無ければ色気もない。
秀でた能力も無いから誰も私を気に止めない。
そういえば、さっきの人が言ってた案内人ってどこにいるんだろう?妖精だっけ?
周りを見回しても誰もいないし…真っ暗闇の中だから見渡せる距離なんてないけど。
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